2019/2/16

インスペクションもいろいろ

 昨年より不動産仲介の重要事項説明においてインスペクションを行った物件であるかないかの説明が義務化され、それに伴いインスペクションをする業者も数が増えたように思います。
中にはどこかの定食屋のセットメニューのようにしている業者さんもあるようにお見受けしています。
分かりにくいのは、インスペクションと一言で言っても、いろいろな捉え方あるという事で、今回の昨年度から実施されている既存住宅状況調査も一般にインスペクションと言われていますし、耐震診断やフラット35適合検査なども一言で言ってしまえばインスペクションにあたります。
既存住宅状況調査は国交省が昨年の宅建業法改正にあたり建築士の資格のあるものにさせるために作った内容のものですが、この調査は主には主要構造部に的を絞った調査内容になります。ですので絞られた内容の項目を事務的に淡々と検査し終了でいいのだと思います。
おそらくは売主様や不動産業者さんからの依頼でする検査であり、または役所関係に提出する書類として客観的に判断できる材料としてという意味合いが強いように思います。
宅建業法改正以前より行っている私たちがやっているインスペクションは買主様の立場に立って第三者性を持って見る...、おかしな表現ですが、主要構造部だけではなく、サッシ、ドア、網戸、クロス、床、タイル、棚、...等々、生活する目線で不具合がないかというような細かい所までチェックする、目視非破壊で限界はありますが、気付きにくい所まで気を付けて見る。買主様が精査して決める為のお手伝いをする、というのが本来のインスペクションと考えています。
そもそも売主様や不動産業者さんが、買主様不在で行ったインスペクションを鵜呑みにできますか?というのが日本ホームインスペクターズ協会の根っこにある考えで、買主様が本当に心配して私どもに依頼してくるものと、既存住宅状況調査(法律の縛りで宅建業者が斡旋する調査)ではやはり見方が変わってくるのではないかと思われます。